('A`)「……まだ卒業も先だってのに、ここでお前一人お別れなんてあんまりだろ」

そう吐き捨てる様に言う、緋色に染まった友達の顔はいつにもまして辛気臭かった。

( ´∀`)「うーん、まあ、僕も正直予想外だったモナ。
      でもドクオ、大丈夫だモナ。僕たち、きっとまたどこかで逢えるモナ。
      なんとなくそんな気がするだけだけど、でも、僕の予感は当たるモナよ?」

だから大丈夫。大丈夫だよ。
だって僕はこのクラスが、みんなが、本当に大好きだったから。
だからドクオ。泣かないで。君からみんなにもそう伝えて。

ドクオが何か言いかけた瞬間、教室のドアがぶち破られんばかりの勢いで開け放たれた。
そして、転がるように飛び込んできたクラスのトラブルメイカーが、何度も舌を噛みながら叫ぶ。

(;^ω^)「どどどどdドクオ!!!! たた大変だお、モナーが、モナーが今交通事故にあって病院に……!!」

横顔を夕日に照らされたドクオは返事をしなかった。
そうして、その真正面に立っていながら日光の影響を全く受けず、影のように存在するだけの僕のことは、
やっぱりブーンには見えてはいないようだった。

( ´∀`)「淋しいけど、仕様がないモナね。……でも、ドクオがいてくれて、良かったモナ」

たった一人にでも、お別れを言えて本当に良かった。
霊感が強いって本当だったんだね。実はちょっと信じてなかった。ゴメン。
今まで友達でいてくれてありがとう。……そして
……さようなら。

('A`)「……」


ゆっくりと、霧に溶けゆくように意識ごと消えるその直前、
「今、ここに誰かいたお?」というブーンの不思議そうな声と、ドクオの涙の落ちる音が
確かに耳に届いた気がした。




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