55 名前:シ*ノωノ)バ@10分[] 投稿日:2010/02/10(水) 02:50:26 ID:34ZRpHpE0
从 ゚∀从 「はァ。幽霊?」
('A`) 「そっそそそうなんだよ……この部屋オバケが出るんだよぉ……!」
从 ゚∀从 「大学生にもなってオバケとか言うなきっしょく悪い」
('A`) 「もーそんなのどうでもいいから、ハインなんとかしてくれよぉ!
お、お前が『こういうこと』に明るいって、おれミセリちゃんから聞いたんだよぉ」
大学生になり、念願の一人暮らしを初めて一ヶ月。
どうやら俺の借りた部屋はそっち系の問題を抱える物件だったらしい。
真夜中、どう考えてもごそごそと人の気配がするのだ。
そういえば妙に家賃が安かった。深く考えずに喜んで契約しちゃった俺のバカ。
ハインは同じ大学に通う、友人とまではいかない、ちょっとした知人だった。
普段なら変人で有名なハインを部屋に招くなんて芸当、とてもできないはずなのだが、
緊急事態だ。俺は恥も外聞もなく変人ハインに泣きついた。
56 名前:シ*ノωノ)バ@10分[] 投稿日:2010/02/10(水) 02:52:27 ID:34ZRpHpE0
从 ゚∀从 「ったく、しょうがねーな、この貸しは高くつくぞ」
('A`) 「なんでもするから……!」
半泣きになりながらおがむようにすると、ハインは、
从 ゚∀从 「へえ。そう」
にたり、と笑った。
そしてじっと部屋の四方を見つめ、
从 ゚∀从 「ああ、ここだな」
と呟いたかと思うと、押入れをがらりと開けて、壁をごんっ、と殴った。
从 ゚∀从 「はい。終わり」
('A`) 「えっ」
从 ゚∀从 「なんかな、通り道になってたみたいだから。通行止めにしといたからもう来ないだろ」
('A`) 「えっ」
从 ゚∀从 「じゃあ俺帰るな。謝礼は後日要求するから」
('A`) 「なにそれこわい」
……別に呪文やお経を唱えて除霊すると思っていたわけではないが、何というかもう少しその……
けれどその後、嘘のように怪異はぴたりとなりをひそめてしまった。
そして、言葉通りハインが要求してきた『謝礼』とは……
从 ゚∀从 「ドクオー。おかわりぃー」
('A`) 「……ねぇ、何なんすか、『永久タダメシ権利』って……」
从 ゚∀从 「いやーお前料理うまいのなー! ミセリから情報聞き出しといてよかったわぁー」
('A`) 「……いいんだけど……いや、いいんだけど……食費がものすごいことに……」
こうして俺の四畳半は、ワケあり物件ではなくなった。
夜もぐっすり安眠できる。
ただかわりに、大飯食らいの変人が、毎日入り浸るようになった。